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週末起業【読書】

目次

はじめに

週末起業 (ちくま新書)を読んだ際の書評というほどのものではないが週末起業の本の内容について言及する。

2023年の現在、地道に何かをコツコツと…といった考え方は古い考え方になってしまっている面は否めない。ただ、その否めない領域というのは、自分自身の考え方というわけではなく、自分を取り巻く周囲の環境がすさまじい勢いで変化するためだという点は間違えるべきではないだろう。

つまり、内面的な領域においてはやはり「地道にコツコツ」と頑張る以外に道はなく、その中でもすさまじいスピードで進化・変化していく世の中の流れにもついていく必要があるという難しい両輪を回す必要があるということだ。

分析し、そして繋げる

基本的に、今はchatGPTや生成AIなども含め、あらゆるツールが世の中にあふれている。一歩間違えば、自分自身がそれらを使って賢くなったような錯覚を覚えやすいのだが、実際にはそのようなツールを使って簡単に答えにたどり着いたとしても、それが経験や知識となっているわけではないという点を肝に銘じておく必要がある。

週末起業にチャレンジをする中でも、やみくもに知識を広げたところで意味がないし、何でもかんでも知ろうとすることは極めて重要ではあるものの、目的もなしに知識習得をしてもそれこそ時間の無駄になりかねない。すべての行動を意味のあるものにしていく&その形がより継続しやすい形を作ることがスタートの段階においてはとても重要な要素なのだ。

週末だけ、あるいは空いた時間だけを使って起業をするのであれば、少なくとも以下の時間は捻出する必要がある。

  • 知らないこと、わからないことを学ぶ時間
  • 知ったこと、わかったことをアウトプットする時間
  • 直接的にマネタイズするための時間

これらの時間を、週末起業という限られた時間にあてはめに行くと、一番不足をするのは「直接的にマネタイズするための時間」となりがちだ。

つまり週末起業をする!と志をもってやり始めても、(実際には何をすればよいかがよくわからないという時間が多いが)すぐにお金になることはできないため、気持ちが焦り始めて、「売れればお金がもらえる」といったアフィリエイトの方へ意識が行きがちになる。

それで売れる人がいるのも事実なのだが、自分がその限られた人間の1人になると考えるのはあまりにも楽観的で賢明ではなく、ここで頭をたくさん使う必要が出てくるわけだ。限られた時間をどう振り分けるか。無駄なアクションをせずに、どうやって効率的に物事を進めていくか、ということだ。

例えば、このようなブログを書く作業も、事前に情報を収集する必要があり、勉強や確認などをした上でブログを書くという行為はアウトプットになる。何より領域を絞ってブログを書き続けることができればマネタイズのための時間にもなるわけである。自分自身がやろうとしていることをしっかりと整理し、その上で最も効率的に「一石二鳥」を作っていけるかを考えることは極めて重要なのである。

週末起業 by 藤井孝一

週末起業フォーラムを運用している藤井氏の著作。

2023年11月現在においては既に20年近く前の書き物になるので、価値はないといえばありませんが、どのような時代背景があってこの「週末起業」というような考え方が生まれ、また根付いていったかが何となく読み取れる内容にもなっている。目次は以下:

  • 第1章:週末起業で「こんな時代」を生き抜こう!
  • 第2章:これが週末起業の醍醐味だ
  • 第3章:成功する週末起業の考え方
  • 第4章:週末起業のための税金講座
  • 第5章:法人のメリットをとことん活用する

本全般にわたって

基本的に、本もビジネス。売れなければ意味がないし、売れるためには行き過ぎない程度にキャッチーナ言葉を使いながら読者を魅了していく必要がある。

あまり深く物事を考える癖がついていない日本人は、自分の境遇などと合わさるような内容の場合には、どんどんと同化していき、あたかも自分がその話の中にいるような錯覚に陥りながら、「そうだそうだ」という自己暗示をかけ、「なるほどなるほど」と妙に納得をしたつもりになり、読み終わった後には、読む前と変わらない自分がそこにいることに翌日、あるいは翌々日に気がつくことになる。

これは、まぁ自己啓発本などにもよくありますが、まさしくこれがこの本を読んでいる最中にも感じたことであり、結果的には多くの人達に実際に起こったことであろうことは容易に想像ができる。例えそれが事実だとして、この本の著者が批判されるような話ではなく、ほとんどすべての本はそういう属性のものということでしかない。

あとは、読み手がそこから何を学び、何を得るか。その得たものが払った対価に見合ったものか。

これが全てであろう。そういう意味では、「週末起業」を考えているサラリーマンが実際に行動を取るに至るまでの背中を押したかもしれないこの本は十分にその役割を果たしているのかもしれない。

この本のターゲット

  • 将来に不安を抱えているサラリーマン
  • 現状に不満を抱えているサラリーマン
  • 週末起業に興味を持っているが何をしたらよいかわからない

大体、この辺りをメインターゲットに据えて、最終的には自社が運営する「週末起業フォーラム」に有料で参加させるというのが全体のビジネスの流れになっている。時代に合わせてその形は変化させていて、現在はセミナーや交流会などに参加を促す流れとなっているようだ。

パッと見ればわかる通り、上記ターゲットは大なり小なり一般サラリーマンが抱えている感情である。その感情、あるいは不安をあおる形でそこの支援を求める層を取り込むことが目的になるのだろう。ある種の、コンプレクス系商材の売り方に似ている面もあるのかもしれない。

考え方のベースは固めてくれるかもしれない

一方で、本の全般にわたって週末起業に対する考え方や、捉え方について説明をしている。突然の起業ではなく、リスク分散をしながら予行演習ができる週末起業を薦めている点には十二分な納得感が存在しているように思う。

他方で、著者は週末起業を行う人を過剰に美化しており、また週末起業を行わずにサラリーマンとして仕事をしている人達は過剰に見下したような形で話を進めている。

これも相手の不安をあおることが目的になっているのだとは思うが、サラリーマンが読んでいれば不愉快に感じる可能性は高いので、これらの言葉を受け止めたうえで現在の自分の立ち位置がどこにあるのかを改めて客観的に考えるきっかけを持つことになるのであれば、それもまた有意義なことかと思う。

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この記事を書いた人

遅咲きの桜の物語

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