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さて、いきなり本題ですがうがいをすることとうがい薬を使うことは僕たちが日常的に使うシーンから照らし合わせて考えると、そのタイミングと用途が異なることを意識したことってありますか?
僕たちが日常的にうがいという言葉を使う時、それは予防的な意味合いが強いです。
一方で、うがい薬を使おうと考えている時というのはすでに何かしらの違和感を喉に感じている時で予防的な意味合いというよりも症状の緩和を期待しているという事実があることは記憶を辿ってみても同意いただけることが多いのではないでしょうか?
症状の改善を目指すうがい薬の使用
うがい薬には大きくは3つの種類があるのですが(後述)、それらの特徴として認識しておいた方が良いのは殺菌消毒や抗炎症の機能で、これは例えば「なんか風邪っぽい」という状況よりも、もう少し明確に喉や口の不調を認識している際に利用するのが好ましいです。
うがい薬の効果
効果として明確に述べて良いのかどうか判断が分かれるものも含めて、大きくは5つほどを認識できれば概ね間違いは少ない知識として活用できるかと考えられます。
喉の痛み・違和感の緩和
喉の痛みや違和感というのは多くの場合は、直接的あるいは間接的に細菌やウイルスの影響を受けて炎症を起こしてしまっていることが予測され、うがい薬にはまさしく細菌・ウイルスを殺菌する働きや抗炎症の働きがあります。
特に風邪のひき始めの段階として自覚症状が出始めている際などに、うがい薬を利用することによって喉の痛みや腫れの原因となっている炎症を鎮めることは、結果的には炎症を経て症状が悪化する流れを遮断することにもつながります。
口内炎の治療
口内炎の直接的な治療薬としてうがい薬を使うのは正しくはないのかもしれませんが、口内炎の原因は口の中の細菌の繁殖や口の中の傷などから裂傷が広がり炎症を起こすようなケースで、これらに対してうがい薬の殺菌力や抗炎症の働きは炎症をおこさえ、細菌を死滅させる効用が期待できるため結果的には口内炎からの治癒力を高めたり、痛みを軽減したりする効果が発生します。
鼻の奥の痒み(炎症)
鼻の奥の痒みは、多くは鼻の粘膜などの細菌の繁殖によって生じている場合が多く、うがい薬の殺菌力や抗炎症の効果はうがいをする際に鼻から喉に繋がる領域も液体が触れるため抗炎症効果を得やすく効果的です。
口臭予防
口臭の種類にもよりますが、口内の細菌が原因となっている口臭に対しては殺菌力があるうがい薬を利用すれば口臭を抑えることが可能と言えます。
ただし、その一方で口臭を予防するためだけにうがい薬を用いる必要性はないとも言えます。また空腹や便秘などが原因となっているような口臭を改善する効果は期待できませんので、注意が必要でしょう。
インフルエンザ流行・拡大の阻止
インフルエンザ予防の効果の有無については肯定意見や否定意見がそれぞれあるようで実際にはどちらが真実であるという明確な科学的根拠も見つけることが容易ではありませんが、うがい薬の利用の有無にかかわらずうがいを行うことによって多少なりともインフルエンザウイルスに侵される可能性を低減できると個人的には信じているところであります。
うがい薬を利用したうがいによってインフルエンザの感染率が最も低い数字になるような実験も行われたことがあるようなので、感染拡大の防止効果が多少でもあるのであれば積極的に行うことによって社会の一員としての責務を果たすことができるような気もします。
うがい薬の種類
うがい薬に含まれり成分は大きくは3種類で、それぞれに特徴があり市販のうがい薬もそれぞれの成分ごとに商品が分かれています。
ポビドンヨード
ヨウ素と呼ばれることが多い印象もありますが、正式にはポビドンヨードと言われ、消毒機能が強くうがい薬や手の殺菌などによく利用されている成分になります。
【効用】 | 殺菌力が高く細菌やウイルスにも効果的と言われています。最も強力な殺菌力になります。 |
【特徴】 | ヨードの臭いや味が苦手な人は要注意 |
【重要】 | 甲状腺の病気、ヨードアレルギー、妊娠中の方は使用禁止。 |
セチルピリジニウム塩酸塩(CPC)
ポビドンヨードほどではないにしても優れた殺菌力を持っています。この成分は、多くの人はうがい薬での利用よりもトローチや歯磨き粉などで利用した経験が多いと思われ、喉の殺菌と言うより口内殺菌の目的とされているような印象もありますが、口内・喉どちらにも同様に効果的です。
その分、ヨードの特徴的な味やにおいといったものはなくなっていて、つやいやすさはアップしていると言えるでしょう。
【働き】 | 粘膜に付着した細菌を素早く殺菌して増殖を防止。 |
【特徴】 | 無臭。利用用途のためか味がついているものがある。 |
アズレンスルホン酸ナトリウム
僕の中では「AZ」あるいは「アズレン」こと、アズレンスルホン酸ナトリウムのうがい薬です。実は、僕は結構な頻度でこちらを利用しておりまして、おかげさまで中々に快適な健康生活を過ごしております。殺菌効果はなく、抗炎症の効果を期待して使うケースが多いですね。
病院などでは、火傷などへの塗り薬としても用いられています。あと全く同じうがい薬が病院で処方されることがありますが、濃度が高いのか非常に小さくコンパクトな原液です。どうでもいい話ですが、個人的には市販もあのサイズにしてもらえるとうれしいのですが…まぁ本当にどうでもよい話でしたね。
【働き】 | 抗炎症効果と粘膜修復効果。喉や鼻の違和感がある時には効果抜群。 |
【特徴】 | 紫色。ミントのような味と香り。殺菌力はなし。 |
うがい薬の選び方
うがい薬は上記にあげた3つのタイプが存在しており、その特徴や効果にも差異があります。状況や利用目的に合わせて使うことが最も賢い使い方です。
【症状】 | 【目的】 | 【最適なうがい薬】 |
無 | 風邪の予防 | うがい薬は使わずに水 |
軽 | 喉:鼻の奥の痛み・腫れの緩和 | アズレンスルホン酸ナトリウム |
中 | 風邪・インフルエンザ・口臭・ヨード苦手 | セチルピリジニウム塩酸塩(CPC) |
重 | 風邪・インフルエンザ・口臭 | ポビドンヨード |
基本的には明らかな段階的強度があり、一番強度が高いうがい薬はポビドンヨードのうがい薬です。
ただし、殺菌力が強いため使いすぎた場合などは粘膜を逆に痛めてしまい、その部分からの細菌やウイルスの侵入を許してしまうような逆効果も発生する可能性もあるため、使用回数などは使用注意書を確認の上、利用のしすぎには注意が必要でしょう。
セチルピリジニウム塩酸塩のうがい薬に限って言えば、症状的にはポビドンヨードを使うべき状況ではあるもののヨード液が苦手、という人向けという認識でも概ね問題はないかもしれませんが、薬は強ければよいわけでもないので、適宜症状に合わせて判断をするか、医師の判断を仰ぐように心がけましょう。
アズレンスルホン酸ナトリウムは日常使用が可能なレベルですが、利用に際しては殺菌効果を期待するものではなく、抗炎症です。時期的にずっと鼻がむずむずして啜りすぎているため鼻の奥や喉が痛いと感じるようなケースで、同時に風邪のような症状は出ていないのであればアズレン系のうがい薬が最も良い可能性があります。
うがい薬の使用に際してい注意すべきこと
うがい薬は、基本的に読んで字のごとく薬です。上手に使えば人間をあらゆる症状から救い出してくれる力を持っていますが、その使い方を誤れば人間に危害を加えることが出来る力も持っています。決して軽はずみに使うことはせず、迷った場合には可能な限りの手段を尽くして情報の確認を行うように心がけてください。
薄めて使用する
うがい薬には濃度が存在し、仕様する時には水で薄めて使用することが求めらます。例えば良いかはわかりませんが、ざるそばを食べる時に使うめんつゆが3倍濃縮であれば水で3倍にして利用しないととても食べ物として扱えないような味になってしまうかと思いますが、うがい薬も利用のためには薄めなければなりません。
しかも、「うわ!濃いなこれ!!」という程度で済むめんつゆとは異なり、使用説明書に記載がある通りに薄めてしようしないと濃度が高すぎて身体がショック反応を起こし危険な状態にもなりかねないリスクが伴います。繰り返しになりますが、必ず薄めて使用してください。
早めに使いきる
うがい薬を使う時というのは、基本的にはコップを利用して原液をはじめにいれ、そこに水を入れて薄めてから使用することになりますが、だんだん使いなれてくると一々計量したりせず、ささっと原液を入れて、ジャバジャバっと水をいれて、うがいをする…みたいなことがあるかとは思います。
それはそれでまぁ良いとして、気をつけなければいけないパターンと言うのはその逆。つまり作った薄めたうがい薬を残した状態でおいておいて、時間が経過したのちに使うようなパターンですね。もちろんうがい薬としての効果も時間経過とともに低下していきますので、実際問題としても原液の量も沢山あるうがい薬の場合は、薄めた原液をわざわざ残して後で使う必要性がありません。
仮に金銭的な理由で…となってしまう場合であっても、薄めた原液を取っておいて効果がない風邪の予防や対策をしていると最終的には病院にかかる必要がでてしまって余計にお金がかかってしまいます。うがい薬を正しく、しっかりと使うことによって病院にかかる頻度を最小にとどめた方が賢明といえそうです。
ポビドンヨードのうがい薬を使ってはいけないケース
これは絶対に注意が必要ですが、甲状腺の病気・妊娠中・授乳中の方はポビドンヨードのうがい薬を使ってはいけません。甲状腺の機能にヨウ素が与える影響は大きくホルモンパランスが崩れて身体に耐える影響は見過ごすことが危険なレベルに到達しえる可能性があります。まず大前提として病気を認識できている必要がありますが、認識できているようであれば絶対に利用をしないこと。また初めてポビドンヨードを利用してから身体の不調がでるようであれば医師に相談の上、判断を仰ぐようにしてください。
妊娠中・授乳中の方の場合は、産婦人科医や助産師から色々とアドバイスや注意を受けているでしょうから大丈夫かとは思いますが、妊娠期間や授乳期間における「使用可能な薬」はとても制限がある、という大前提に立ったうえで、ポビドンヨードに限らずあらゆる種類の薬の使用に関して神経質になるくらいが、乳児のためにはベストと考えておくのが安全かと思います。
うがいの仕方を復習
そもそも論的に、「正しいうがいの仕方」というものが世の中に存在するのか、あるいは存在するのであれば誰がそれを判断するのか、という素朴な疑問を持ってしまう年頃なわけですが、まぁ取り急ぎの理解としては「より効果が出やすいうがいの仕方」と認識しておけば良いのだと思います。
タイミングについて
- 外から室内に戻る直前
- 空気や喉が乾燥していると感じた時
- 寝る前
うがい薬を使っている場合には、使用説明書の指示に従ってください。うがい薬を使っていない場合には1日4~5回程度を目安にしつつも、なんとなくでもうがいをしたいと思ったら何度でも行って差し支えはないでしょう。
手順
- 口内を洗浄し清潔にする
- うがい薬、または水を口に含み上を向く
- 口に含んだ液体を喉の奥に到達するのを意識して喉をガラガラゆすぐ
- 口の中の液体を吐き出す
- 2~4を繰り返した後に水で軽くゆすいで完了
一旦は手順を紹介しておりますが、どこをゆすいでいるか?を明確に意識してうがいを行うことが可能なのであれば、手順なんて細かいことは忘れてしまっても問題はないと言えるかもしれません。
予防的な役割のうがい(水うがい)
ポビドンヨードなどの細菌やウイルスを死滅させる殺菌効果を除けば、うがいの効用というのは口内や喉の粘膜に付着した細菌やウイルスを殺菌するのではなく、洗い流して口外に出すことと言えます。
(水)うがいの効果
- 風邪の予防
水うがいのタイミングというのは気になった時にいつでも行えば良いとも言えますが、あくまでも喉の痛みや腫れなどの症状が発生していない時に有効であると捉えるべきでしょう。
風邪の予防に関しては、うがい薬ではなく水うがいで十分と言われており、この理由は上記に挙げた通り殺菌することが目的ではなく洗い流すことが目的となっているからです。厳密には、ポビドンヨードのような極めて高い殺菌力を持ったうがい薬などで頻繁にうがいを行ってしまうと、口内や喉の正常な機能までも破壊してしまう場合があるため注意が必要です。というか、使い方についてはあくまでも自己判断の自己責任で、というよりも使用説明書に従う&わからなければ医師か薬剤師に確認すること。
必要性
うがいをすることで体に入ってくる細菌を洗浄する役割を果たします。それが必要なのか?と言われれば必ずしも必要とはいえません。
しかし「この線の直線上のどこかに落とし穴があるかもしれません、と言われたらそれを避けて通るのが人間です。少し状況は異なりますが、うがいをすれば風邪を回避できる可能性があります、と言われればやはりうがいをしよう、となるのが人間というものです。
ただし、一点だけ、どうしても勘違いしがちな点があります。うがいという行為が殺菌をするわけではありません。殺菌力のあるうがい薬でうがいをした場合には、そのうがい薬の効用によって殺菌するのであって、うがいと言う行為ではないのです。
つまり水でうがいをするという行為は、水に殺菌力はないので、あくまでも「洗い流している」というだけです。それにも関らず、「喉のうがい」という一点のみをに気にしている人がとても多いのが現状です。
のどに付着している細菌は、多くの場合は鼻または口からの心中です。それが奥の方に入り込んで喉の粘膜に付着しているわけですね。だからこそ、うがい、または水うがいをする場合には先に口内の洗浄が必要になるのです。口内の洗浄をした後に、喉のうがいを行わないと、「とりあえず喉のうがいしました!」というだけで何の意味もなさないということです。
防御機能
人間は日常生活の中で常に細菌に囲まれて生活をしています。このような表現を使うとそれはそれで気持ち悪いですが、実際問題として僕達には目視することのできない細菌がそこらじゅうに存在しているのは間違いありません。
人間は皮膚に守られていますが、毛穴や目、鼻、口、傷口といったところから細菌は体内に侵入をしてきます。それらの細菌から人間を守るために本来の機能として備わっていのは唾液であったり、体毛であったり、粘膜であったりが防衛機能を発揮します。
しかしながらその防衛機能は絶対ではなく、細菌は頻繁にその防衛機能を超えて体内に侵入をしてきます。何重にも繰り広げられる防衛機能の一つである、喉の粘膜も細菌を捕まえることがありますが、粘膜が捕獲した細菌も何もせずに食事をしたり飲み物を飲んだりすれば、そのまま簡単に体内に侵入してくることになるわけです。
うがいは、このような状況においても粘膜に付着している細菌を体外に排出する役割をにないます。
インフルエンザ対策
インフルエンザは、予防接種を受けていようが、毎日手洗い・うがいをしていようともかかってしまう時にはかかってしまうものでもあります。
これは、単純にうがいをどれほど行っても、細菌を完全に洗い出すことはできないという理由もありますが、手洗い・うがいだけではない、健康管理の影響もあるからです。例えば疲労や寝不足が続いていると免疫力が低下してしまうためどれほどうがいをしていたとしても、感染するリスクは高まると考えて良いでしょう。
同様の観点で、うがいを見る時、うがいには喉の粘膜を守る効果や血行促進による防衛能力の強化にもつながるという側面を忘れてはいけないでしょう。
正しいうがいの流れ
うがいの流れに正しいも正しくないもあるのかどうかはわかりませんが、やってはいけないことは確実に存在します。そのような点を含めて、下記により良いであろう流れを記載します。
手洗いと口内洗浄
まずうがいをする前に、手を洗います。石鹸などがあればそちらを使うのが良いでしょう。
これは単純に細菌の侵入経路の一つは口で、その口に細菌を運ぶ役割をになってしまうものの一つに手があるからです。手に細菌がついている状態で、うがいをし、せっかく上手に細菌を外に排出できたとしても手に細菌がついていると何かしらの表紙に手から口に細菌が侵入する可能性があります。
入念に手を全体的に洗ったら口内を洗浄。マウスウォッシュなどがあれば利用し、ない場合には口全体をしっかりと1,2回ゆすげば準備完了です。
うがいをする
口を何度かゆすいだらいよいようがいをします。水やうがい液を口に含んでから上を向き、喉の奥へと液体が届くようにうがいをします。「よくわからん」という人は「オー」と「ウー」とか声を出しながらやってみると感じがわかると思います。目安は3回程度で十分です。
最後に
さて、今回はうがい薬とうがいについてのお話をまとめてみました。
ちょっといつもとは趣の違い記事になりました。今回からはカエレバを導入してみましたが、これはこれで色々と使い方が正しいのかどうかよくわかっていません。
うがいについては個人的には、日々普通に水でうがいをすること、手洗いをしっかり行うことを中心にして、概ねなんとなく口内や鼻の奥、喉などに違和感がある場合にはアズレン系のうがい薬を使うって流れでかなりの長い期間を発熱や重度の風邪の症状までいかずに生活をすることができています。
うがい薬の利用と毎日のうがいを習慣化し、健康的な生活をすると共に、自分自身の生活習慣を見直す機会などにできれば幸いです。