うがいは効果があるのか?
うがいなどを検索してみるとわかるのですが、うがいそのものが効果がない、といった話の検索結果も沢山出てきますので、そのあたりについて興味がある方々は、「効果がある」としているサイトや「効果がない」としているサイトの情報をしっかりと精査することをお勧めします。
僕個人的には、うがいは効果があるという側に考えの軸はおいていまして、そうであるが故に仮に何の効果もない場合であっても、フラシボー効果の発生する効用の方向性はうがいを毎日行った方が風邪はひかないと思っているベクトルを向いていますので、科学的に効果がないと実証されるまではうがいを行っていこうと考えています。
その効果の有無は一旦おいておくとすれば、うがいが果たそうとしている機能は「水やうがい薬を使って口腔の細菌やウイルスを洗浄・殺菌する」というもの。
つまり、水で言えば口腔に付着したウイルスや細菌を浮かして吐き出すまででしょうし、うがい薬をつかっている場合には洗浄・殺菌と合わせて吐き出すという流れになっているわけです。口腔を洗浄するのが目的になっているので、副産物として口臭防止や虫歯・歯周病の予防につながったりもするとのことです。
うがい薬って日常的に使っていますか?
そんなうがいですが、僕は日常的にうがい薬を利用してうがいをしています。
イソジンなどを代表とするヨウ素系のうがい薬はちょっと味が苦手なので僕は使えません。
ヨウ素の殺菌効果はとても強いらしく、京都大学のグループによるうがいの効用を調べる研究では、何もしない結果と大差ない結果がでてしまったようですが、その理由はヨウ素が正常な細菌のバランスを破壊したためと推測されているようです。
[文献] 川村 孝, 里村一成, 後藤雅史, 北村哲久, 系統的無作為割付対照試験による感冒の予防・治療体系の確立. Reserch Papers of The Suzuken Memorial Foundation, 2242-45, 2005.
[文献] 里村一成, 川村 孝, うがいによる風邪の予防効果. Medical Practice, 23(8):1460-1461, 2006.
ちなみに、うがいが効果的とされているのは、一般的な風邪であって、インフルエンザについては予防対象には数えられていませんが、これはこれでインフルエンザの予防の為だけにうがいをするかしないかという議論である必要もないので、インフルエンザ対策についてはまた別の試みが必要である点にはご留意ください。
医学的な根拠のむずかしさ
現在、うがいについて、ネット上で探すことのできる情報には肯定派と否定派に真っ二つに分かれてしまっています。
反対派においては、医学的根拠の乏しさがその論点の主軸になっていますが、一方の肯定派は、あまり研究結果がない領域故に医学的根拠が出しきれないというものの、効果てについては肯定的に捉えています。
このとても小さい範囲の事項に関して、そもそも白か黒かという二極論で語る必要性はあまりないように感じています。一説では、このうがいという文化は日本にしか存在しないとも言われているようですので、これが「日本でしか行われていない≒世界的には効果があるとは思われていない」といった流れで語られてしまうことが多いのも残念です。
結果的に、1人でも多くの人々が、人に感染するような風邪や病気にかからないように努めることが重要で、その為に行うことが出来る事項は自分自身の行動内にしかないことがほとんどです。
そうなのであれば、1人1人の予防行動の中に手洗いうがいが行われていることは、効果の有無以上に意味のあることと捉えてもいいのではないかとも思うのです。