週末起業の続編となる週末起業チュートリアル。
週末起業の著書とは異なり、もう少し具体的な話に踏み込もうとしている。
ただ、個人的には読み進めれば読み進めるほど、著者が言っていることとやっていること、あるいは内容として薦めている言葉遊びに終始してしまっているような印象もあり、そういう点を気にしながら読むと少々混乱するかもしれない。
2023年現在においては会社依存についての考え方も大きく変わっているし、若い世代においてはそもそも会社依存という考え方自体がないようにも思う。つまりこの会社依存という言葉自体を実体験として積んできているのは1990年代生まれの世代くらいまでの可能性も高いのは年頭に置きつつ、読む必要があるだろう。
会社に依存しつつ利用をすべし、といった感覚の提案もあったり、時間の捻出の仕方となっている話も、やはり勉強と仕事は異なる部分も多いので「考え方のベースを伝えている」といった感じである。同様に、前述のとおり、古い世代と若い世代にとっては経験則からくる考えの基盤そのものが異なるため、時代の違いについては念頭に置きつつ、自分にとっては参考になるようなエッセンスだけを上手に引き出して理解していくのが良いだろう。どちらかというと自己啓発本のような印象をもって読んだ方がイメージからのかい離は少ないと思う。
週末起業チュートリアル by 藤井孝一
目次は以下。
- 第1章:会社依存から卒業しよう
- 第2章:週末起業のマネー学
- 第3章:週末起業家の時間革命
- 第4章:ネットワークを手に入れる
- 第5章:週末コンサルタント
- 第6章:本業と週末起業の幸せな関係
本について
チュートリアルとは書かれてあるが、自己啓発本のように意識をせずに読み終えると何だかすごくわかったような感覚に陥るけど、次の日になると何も覚えていないといったような内容になりかねないので要注意。これは、本の内容が悪いとかそういう話ではなく、本のターゲットになっている人と実際にこの本を有効に活用できる人にズレが生じてしまう可能性があることに起因しているように思う。
この本のターゲット
この本のターゲットは、チュートリアルという言葉を使っている手前、週末起業を考えている人あるいは何となく気になっている人だけど何から手を付けていいかもわからない人、だろうか。実際にはチュートリアルではなく、自分の成功体験をベースにしたアドバイスが並んでいる。そのため、その話を聞いて実際に活かすことができるフェーズにいる人でないと本を読んでいてもあまり意味がない状況が生まれる。
初心者レベル2くらいの人から
チュートリアルという言葉をベースにして購入に踏み切っている読者は、週末起業のタイムライン上においてはまだまだ事業創出あるいは起業というものに対するスタートラインに近すぎる立ち位置の可能性があるだろう。例えば、このような人達を初心者レベル1とする。
レベル1を通過してレベル2になっているスタートはとりあえず切ることができた人達であれば、実際には既に起業をしたがうまくいっていない人であったり、なぜか思っていた通りにことが進んでいないといった人たちではないとこの本を手に取ろうとはしないだろう。だが、そういった人達であればこそ、藤井氏の経験に沿った成功体験からヒントを得てブレイクスルーをするために活用することができるのかもしれない。
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