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競争戦略1-1 業界構造の分析(2020年度版)

競争戦略1-1 業界構造の分析
目次

ポーターの5フォースモデル

5つの競争要因のことを5フォースモデルという。これは特定企業が面している競争という状態は業界内の競合他社との関係のみならず、業界外の要因によっても影響を受けるということを表したものになる。

競争要因としてあげられる5つの要素の分析によって、競争環境を理解し、業界内の企業がどれくらいの収益を上げることができるかを明らかにするために用いられる。

5つの競争要因
5つの競争要因

業界の収益性が5つの競争要因の影響を植えることは事実だが、ポーターは企業の5つの要因全て、または特定の要因に働きかけることで産業構造を変え、自社の収益性を向上させることができるとしている。

①既存業者間の敵対関係

同じ特定業界に参入している企業間には競争関係があり、企業同士の競争行動が激しいほど競争状態も熾烈になる。敵対関係が激化する(その結果、価格競争になる)理由に以下のようなものがある。

既存業者間の敵対関係が激化する要因

  1. 同業者が多い
  2. 同程度の規模の会社がひしめいている
  3. 市場規模の成長速度が遅い
  4. 固定コストまたは在庫コストが高い
  5. 製品を差別化するポイントがない
  6. キャパシティ(生産能力)を小刻みに増やせない
  7. 業界から撤退しにくい撤退障壁が高い)

5フォースの中でも、既存業者間の敵対関係が激化する要因は重点的に学習するのが良い。単に暗記をするのではなく、実際の事例をイメージして理解する。

固定コストが高いと、大規模な生産設備等をフル稼働させて大量生産してしまう。その結果、製品が余り、価格競争が起こる。在庫コストが高いと、売れずに置いておくだけでコストがかかるので、安売りをして価格競争が起こる。

➁新規参入企業の脅威

業界により多くの企業が参入しようとすると競争状態も激化する。参入障壁が高い領域では新規参入自体が少ない、あるいはほぼないため問題ないが、経済合理性が高く参入障壁が低い領域は新規参入は必然的に多くなり、結果競争状態も激しくなる。

③代替品の脅威

代替品とは、特定商品と同じ機能を持つ製品。代替品は後発のケースが大半で、多くの場合は従来品よりも低価格戦略を取る傾向が強い。代替品の登場は既存製品との競争を激化させる。

④売り手の交渉力

売り手とは、ある業界(の企業)に対し、製品の製造に必要になる原料や部品を提供する供給業者のこと。供給業者が独自保有する技術や特許を用いて作られた商品の場合は代替品を探すのが極めて難しいものとなるため、業界に対しては脅威となりうる。

⑤買い手の交渉力

買い手とは、ある業界(の企業)が製品を販売する顧客のこと。小売業界などでいえばコンビニ大手や大手チェーン店なども含まれ、このような買い手はその協力は販売力(購買力)を使って、商品仕入れに対して強烈な価格を提示してきたり、納品や不良品等に対する細かい規定を要求してくるため脅威となる。

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遅咲きの桜の物語

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