中小企業診断士

組織行動論1-2 集団のダイナミクス

連結ピン・モデル

集団ダイナミクス

集団ダイナミクスというのは、良くも悪くも人が集まり組織として活動をする際には集団であるがゆえに発生しるある種の力学が働く現象を表しています。避けることができない現象のため、まずはそれをしっかり理解しより効果的に利用・対処していく必要があります。

集団ダイナミクスは、集団力学やグループダイナミックスと呼ばれたりもしますが、「集団のダイナミクス」として、人が集まった際に発生する心理的なメカニズムが焦点となっています。

フォーマル組織とインフォーマル組織

経営組織にはフォーマル組織(公式組織)インフォーマル組織(非公式組織)が存在し、従来のフォーマル組織だけを対象にした管理だけでなく、インフォーマル組織の機能を重視した管理の必要性が指摘されているといった内容になっています。

他方で、2020年現在のおいては、オンオフの切り分けが以前にもましてより顕著なっているのは周知の事実であると考えると、「インフォーマル組織の機能を重視した管理」という形は扱いが非常に難しいとも思います。

フォーマル組織はルールに基づいて編成され、公に認められた組織。営業部や経理部、プロジェクトチームなどの会社が決めた組織のことを指す。

インフォーマル組織は、フォーマル組織の中に自然発生的に生まれた集団。会社のいつもの飲み仲間や、趣味が同じで週末などに一緒にスポーツを楽しむ仲間など。

連結ピン・モデル

組織は、少人数の職場集団の集合であると捉えることができます。複数の小集団は、分業化や専門化の原則に従って、より大きな集団にまとめられます。例えば、係が課になり、課が部となって、それらの総体が組織となります。この組織と職場集団との関係を扱ったものに、リッカートの連結ピン・モデルがあります。

連結ピン・モデル連結ピン・モデル

小集団を組織の構成単位とし、構成単位間の連携を「連結ピン」で行うという考え方で、これによって集団のメンバーの参画による意思決定が促進されるというもの。連結ピンとは、組織内の集団間をつなぎとめ、上下左右のコミュニケーションセンターとしての役割を果たすもので、この機能は管理者・監督者などのリーダーによって果たされる。

グループダイナミクス(職場集団の行動様式)

多様な個人が小集団を形成すると、個人や組織には見られない固有の特性が発生します。たとえば、集団の中では、独自の集団基準や集団規範が形成され、各メンバーに対してそれに従うよう圧力が生じたりします。このことについて、集団の凝縮性集団浅慮(グループシンク)の2点から考察。

集団の凝縮性

集団の凝縮性とは、集団の各メンバーが互いに引き合う程度(集団の団結の度合い)のことです。集団の凝縮性が高いほど、集団メンバーに対して集団基準や集団規範に従うよう圧力が働きます。

集団浅慮(グループシンク)

集団浅慮とは、集団で意思決定を行うと、かえって短絡的に決定がなされてしまうという現象のことをいいます。自分の所属する集団に対する「過剰評価」、「閉鎖的な発想法」、「画一性や同調への圧力」、「挑発的な外部環境の知覚」によってもたらされます。また、そのうえで出された結論が極端なものになることをグループシフトといい、極端にリスクの高いものになる場合(リスキーシフト)、極端に慎重になる場合の2つがあります。

コンフリクト(葛藤)

コンフリクトとは、相対立する目標、態度、行動などから生まれる葛藤や対立のことです。コンフリクトは、個人間、集団内、集団間、組織間だけでなく個人内でも生じるもので、あらゆるレベルで不可避的に発生します。

コンフリクトの発生要因

コンフリクトは次のような場合に発生するといわれています。

  1. 組織内の限られた資源の配分について関係者間での合意が形成されない場合
  2. 互いに自律性を求めたり、パワー(ある個人や集団に何かをさせたり、何かをさせない力)を確保したりしようと意図した場合
  3. 組織内の個人や作業集団間で共通の目標を確立するに至らず、協力関係が成立しない場合
  4. 互いの部門(あるいは担当者)が相互依存的な関係にある場合
  5. タスク不確実性が高い場合

タスク不確実性とは、仕事や作業において、意思決定者が結果をコントロールできない度合いのこと。これが低いとコンフリクトが発生する余地が少ないが、これが高くなると、仕事や作業の結果だけでなく進め方等においても関係者の意見が増え、コンフリクトが発生しやすくなる。

コンフリクトマネジメントの方向性

コンフリクトの解消には限界がありますが、次のようなマネジメントの方向性が示されます。

①競争 自らの利得にこだわり、競い合う
②和解 自らの利得を捨て、相手に譲る
③回避 自らや相手の利得が表立つのを止める
④妥協 自らも譲るが、相手も譲るように仕向け、適当なところで折り合いをつける
⑤協力 自分の利得も相手の利得も大きくなるような方法を一緒に見つけようと働きかける