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組織行動論1-3 リーダーシップ論

マネジリアルグリッド
目次

リーダーシップ論

「リーダー」は特定の組織単位を指揮権や管理権(責任)を持ってる人を指しますが、「リーダーシップ」は、機能あるいは能力を指しているため、リーダーシップ論を理解すべき対象は、リーダーを含むその機能あるいは能力を発揮する(したい)人々全員が対象となるものになり、定義そのものは他者への影響、能力の引き出し、組織単位(あるいは分解した場合の個人単位)での共通の目標を達成する能力となります。

ビジネスのみならず「組織」として行動を行う場においては時代の背景と共に常に概念や形を変えてリーダーシップ論の必要性や特徴は議論されてきたといえます。

 

リーダーシップの資質特性論

資質特性論とは、リーダーシップに関する研究が行われた初期のころに研究された内容で、リーダーとしての実績に基づいて人間性との相関を図ろうとしたアプローチです。他方で、人間性そのものが「科学的」アプローチをするのに適しておらず、科学的な結論に到達することが出来なかったといわれています。

リーダーシップ論の研究は大まかには、「資質特性論」、「行動類型論」「状況適合論」という変遷たどってきています。

リーダーシップの行動類型論

行動類型論とは、資質特性論のような個々人の内面に存在する人間性ではなく、(そのような人間性に起因する、または全く起因しないものも含めた)外面的な「行動パターン」に成果を出すリーダーの類似点を探り、研究を進めようとしたものです。

行動類型論の特徴は、組織の効率と構成員の満足度の両方を高めるようなリーダ0-シップの類型を究明することにあります。

レビンのリーダーシップ類型論(アイオワ研究)

レビンが行った集団組織的行動に関する研究では大きくは2つの事実を明らかにしました。

  1. リーダーシップの取り方によって集団の成果に与える影響が異なる
  2. 集団におけるルール設定と自発的意思決定プロセスの有無が、個人の行動変容や定着に大きな影響を与える

レビンのリーダーシップのタイプ

①民主型リーダーシップ リーダーは援助し、集団で討議し決定する
②独裁型リーダーシップ リーダーがすべてを独裁的に決定する
③放任型リーダーシップ 全てを個々人で自由決定する

レビンが定めたリーダーシップのタイプ3を比較すると、結論としては民主型リーダーシップが、組織としての集団作業硬化において他のリーダーシップスタイルよりも優れていると結論付けられていました。

本来的には組織そのものの成熟度などにも関係してくるため、あらゆるシチュエーションにおいても民主型リーダーシップが他のリーダーシップスタイルよりも優れているとはいい難い面もあると思いますが、個々の能力が高い成熟した組織であればあるほど民主型リーダーシップが良いという点についてはうなずけるかと思います。

オハイオ研究

 

名前の通りオハイオ州立大学で行われた研究で、リーダーシップ行動の大部分は実質的には以下の2点に集約されるというもので、その2点「構造造り」と「配慮」の両方に高い関心を示すリーダーの集団は、部下の業績と満足度が高まる可能性が高いとしています。

オハイオ研究の2つのカテゴリー

①構造造り 目標達成を目指す中で、リーダーと部下の役割を定義し構築すること
②配慮 部下の勘定への気配りやアイデアの尊重など職務上の関係を持つこと

ミシガン研究

こちらも名前の通りミシガン大学行われた研究です。

リッカートが行った研究で、まず組織を4つの類型(独善的専制型温情的専制型相談型参加型)に分けたうえで、リーダーシップの行動側面という意味では2つのタイプ(従業員志向型生産指向型)にたどり着いています。

最終的な組み合わせとしては、参加型の組織で従業員志向型のリーダーが好ましいと結論付けています。

ミシガン研究の2つのタイプ

①従業員志向型 部下のニーズへの関心、個性の違いの受容など、人間関係を重視する
②生産志向型 仕事の技術的あるいはタスク上の側面を重視する

結論としては、「参加型」の組織が理想形であり、このタイプの組織におけるリーダーシップの特性から、従業員志向型のリーダーが好ましいとしています。

PM理論

P(performance)=目標達成機能≒構造造り、M(maintenance)=集団維持機能≒配慮。基本的に、PとMの両方優れたリーダーシップスタイルがより有効であるとしている。

マネジリアルグリッド

ブレーク&ムートンによって図式化されたマネジリアルグリッドと呼ばれるマトリックス図であり、「人への関心」と「生産への関心」の2つのスタイルに基づいています。結論としては、9・9型のチームマネジメント型が理想的なリーダーシップスタイルであるとしています。

マネジリアルグリッド

マネジリアルグリッド

リーダーシップのコンティンジェンシー理論(状況適合論)

行動類型論においては、より優れていると思われるリーダーシップのスタイル(民主型リーダーシップ/構造造りと配慮/参加型の組織で従業員志向型リーダー/人間と生産両方に関心の高いチームマネジメント)が述べられてきましたが、当然その時々の状況によっては有効でないケースも存在するため、研究のフォーカスはだんだんと外面的なリーダーの行動分析からリーダーが置かれている状況に対しても目が向けられていくことになり、リーダーシップのコンティンジェンシー理論(状況適合論)が展開されました。

状況の特性によって有効なリーダーシップのスタイルが異なるとする理論

フィードラー理論

フィードラーは、効果的な集団業績のためには、リーダーが部下と接する際の「スタイル」と、リーダーの置かれている「状況」とが適合していることが重要であることを示しています。

フィードラー理論の「スタイル」と「状況要因」

2つのスタイル
  1. 仕事中心型
  2. 従業員中心型
3つの状況要因
  1. リーダーと集団との人間関係の良好さ
  2. 仕事内容の明確化の程度
  3. リーダーの権限の強さ

結論としては、

  • 仕事中心型のスタイルのリーダーには、3つの状況要因において、統制がしやすい場合としにくい場合に効果的な業績をもたらす
  • 従業員中心型のスタイルのリーダーは、3つの状況要因において、統制のしやすさが中程度の場合に効果的な業績をもたらす

としています。

フィードラーの状況適合論

フィードラーの状況適合論

パス・ゴール理論(ハウスの目標ー経路理論)

パス・ゴール理論における有能なリーダーは、必要な道筋(パス)を示して、従業員の業務目標(ゴール)達成を助けるというものです。

結論としては、リーダーは「部下の特徴」と「仕事環境の特徴」という2つの状況要因に対し、補完する抑割を担うスタイルを取るべきとしています。あくまでも補完であるため、タスクが明白、従業員の能力が高い、などの保管する必要がない場合には、フォローをするのはかえって好ましくない、ともしています。

 

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遅咲きの桜の物語

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