バーチャルオフィスを利用していると口座開設できない?
2012年から法人口座開設の審査に対して厳格化され、バーチャルオフィスを利用していると口座開設ができないという事例が色々と情報として報告されるようなりました。
法人口座がないと、例えば請求書に記載する振込口座に個人の名前が登場するのでとても不自然ですし、それだけでも取引をしてもらえない可能性が出てきてしまうほど問題です。
実際のところバーチャルオフィスで口座開設をすることは難しいのでしょうか?
そこで今回はバーチャルオフィスでも口座開設をするためのチェックポイントについてご紹介していきたいと思います。
なぜバーチャルオフィスでは口座開設できないのか
そもそもなぜバーチャルオフィスでは口座開設をすることが難しいのでしょうか?
銀行にも色々ありますが大手の場合だとバーチャルオフィスを利用しているというだけで難色を示すこともあります。
その理由はやはり「信用に欠ける」ことが原因にあります。
起業したばかりの会社なんてこれから軌道に乗るかも分からないわけですからもちろん信用なんてありません。
それに加えてバーチャルオフィスを利用しているとなれば尚更銀行は警戒心を強めます。
これは経営状態を懸念しているだけじゃなく、架空請求の詐欺業者じゃがバーチャルオフィスで設立をされた法人口座を利用してお金の流れを作っていたという状況があるからです。
バーチャルオフィスは今でこそクリアなイメージがありますが、その昔は裏稼業の方しか利用しないものだったのでその名残が未だに残っているんですね。
とはいえ、バーチャルオフィスを利用している=必ず口座開設を断られるというわけでもありません。
バーチャルオフィスを利用している起業家の中にも複数の金融機関の口座開設をしていたり、大手金融機関をメインバンクにしている方もいらっしゃいます。
つまり「バーチャルオフィスを利用しているから」という理由だけでは口座開設を断られるわけではないのです。
口座開設をするための秘訣
先ほどもお伝えしたとおり、銀行が求めているのは信用です。
信用とは会社の業務内容、経営状態、営業実態を全て開示することで初めて得られるものです。
では具体的に何を準備すれば銀行から信用してもらえるのでしょうか。
準備しておきたい資料は以下の通りとなります。
・履歴書
・職務経歴書
・事業計画書
・会社のHPを印刷した用紙(タブレットでその場でサイトを見せるのも良いですが、書類は銀行側で一時預かっての審査になるのでその際に銀行がネットでサイトを見てもらえる稼働はは確実ではないため、紙も用意するのがベター)
・取引先との契約関係の書類
・バーチャルオフィスの契約書
ただ口座開設するだけなのにこんなに書類が必要なの?と思われたかもしれませんが銀行は「実態のある会社なのかどうか」を真っ先に疑います。
それを証明するためには事業内容と実際に行っている業務、取引先との書類関係は欠かせない要素です。
会社の存在自体は証明できたとしてもペーパーカンパニーだと思われたら口座開設を断られる可能性があります。
これを避けるためにも確実に会社が存在していることを証明してください。
また見た目も気になるところです。
スーツを着込む必要はないかもしれませんが、身なりをしっかりとして申し込みに行く方が当然良いのは言うまでもありません。
スーツは着ない主義?スーツなんて古い考えばかばかしい?
そう思うのであれば、考え方は人それぞれなのでもちろん問題ないでしょう。ただし、銀行が「身だしなみが良くないので信用できない」と仮に判断しても、その判断に異議を唱えることはできないという点は肝に銘じておく必要があります。
口座開設の前の注意点
口座開設をする前にいくつか注意しておきたいポイントがあります。
もっと言えばバーチャルオフィスを契約する前に確認しておいてほしいことでもありますが、これから起業される方もぜひこの項目を確認してからバーチャルオフィスを選ぶようにしましょう。
・犯罪歴のないバーチャルオフィスと契約する
・口座開設をする際はバーチャルオフィスの住所に
・必要書類はすべて銀行に持ち込む
[aside type=”warning”]口座開設サポートのあるバーチャルオフィスなどもありますが、銀行は実際のところ紹介だから審査が緩むとかそういう話は存在しませんので、そのようなサポートを使えば口座が開設しやすくなるという話を大々的に言っているようであれば、逆に信用をしない方が良いと思います。[/aside]
まぁ、書類関係のことは上記の通りですので、後は銀行に持ち込んで確認してもらうだけなんですけど、ほかの部分はバーチャルオフィス契約時に関わることなんできちんとチェックしておきましょう。
特に犯罪歴はバーチャルオフィスのHPに大々的に公開しているわけがありませんから、口コミや評判など予め確認したり経営者の経歴を調べたり、契約前に運営会社の実態をよく見ておくようにしましょう。
あと、結構間違えてしまいやすいのが口座開設する銀行の住所です。
これは会社の住所と一致しない場合は即口座開設を断られます。
例えばバーチャルオフィスの住所が東京の銀座だったら銀座の銀行で口座開設しなければいけないということです。
何も用意しないと印象が悪くなる
上記で挙げた書類の中には不要とされるものも含まれているかもしれません。
しかし一番大切なことは銀行に良い印象を抱いてもらうことです。
例え不要な書類であっても何も持って行かないよりずっとマシですし、行員から信頼を得ることは間違いありません。
可能な限り業務内容の事実を証明できるものを揃えて開設時に不備のないようにしておきましょう。
また、変に気を遣いすぎる必要はないという点については、改めて認識をしてください。
銀口座が必要になるのは、実際にクライアント側からの入金がある場合です。入金については、振込名義を指定できるので個人口座から行っても問題ないのです。
つまり、実際に変なことをやろうとしているわけでもないのに銀行口座解説を断られるケースというのは、順番を間違っている可能性もあります。
バーチャルオフィスでの起業の場合、「まずは設立」として法人設立をする人がとても多いのです。実際には、法人そのものよりもビジネスができていることが重要ですし、ビジネスをしているということはクライアントがいるし、クライアントとの契約書なども存在すべきという話です。
「クライアントいないけど、気持ちの踏ん切りもつける必要あるし、とりあえず設立だ!」
この流れの場合、どれだけ真面目にビジネスをやろうとしていても、実際には何もビジネスは発生していないし、事業収益のあげかたすらも絵に描いた餅の可能性が高い。
この状況で、銀行に行って口座を開設させてください、といっても当然信用をされるわけがないのです。
格好から入るのではなく、実際にビジネスを行うことを優先する。
ビジネスを行うことを優先すれば、おのずと事業のホームページなども必要になりますし、それに付随する計画書なども現実的なしっかりとしたものになるでしょう。
しっかりとしたホームページも作って、ビジネスを行うために必要なものも揃えてあり、「そのうえで口座が必要なのです」という段階になっているのであれば、バーチャルオフィスであろうとなかろうと法人に銀行口座を開くことは必ず出来ます。
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